日本における農業に関して現時点では3つの課題があると考えています。
1番目の農業就労人口の減少と高齢化の一つの原因に後継者不足があげられます、また家業の農家をせっかく継いでも時間当たりの収益性が低く結局他の職業に転職してしまうという現実があります。
この問題を解決しようという一つの施策が農業法人の推進や農地法の緩和策です、しかしこれだけでは根本的な問題の解決には程遠いといえます。
2番目の農業就労者の年収ですが、直近の調査では時間当たりの収益は各自治体の最低賃金を満たしていません、更に種や肥料の仕入れがかかりますから実質収益は更に低くなります。
この問題を解決する簡単な方法は野菜や果実の価格を上げることですがそう簡単ではありません、むしろ高効率化を目指すのが日本流の正しい方法なのだと思います。
3番目の農作物の流通に関しては自治体の協同組合で運営されていますが便利でもある半面で細かな規格が設けられており低収入の一因ともなっている部分もあります。
その意味で現在大手スーパーや道の駅といった場所において生産者が直接販売できるシステムが広がりつつあります、またネット販売というこれまでになかった方法で生産者が直接消費者に販売する方法も確立されつつあります。
ファンシーフーズは日本における農業の課題を真正面から受けとめ新たな日本版高効率農業の仕組みを模索しています、アメリカでは昔から農地が広いので全て機械化によって農業が成り立っておりヨーロッパ各国では冬でも栽培可能な水耕栽培を国や地方自治体をあげて推進しています、これらの国では少ない労働者によって高収益化を実現しています。
最も自動化が進んだオランダでは水耕栽培の工場化ということもあって面積比で日本の年間収穫の20倍以上の野菜を生産しているのです。
「日本で売られている野菜は綺麗で大きさや色が揃っている、でも高すぎて買えないし美味しくない」と言うのは日本で生活している多くの外国人の言葉です。
そして日本の農家で年収1,000万円以上の所得世帯はほとんどありません、対して欧米諸国の農家は収益で豪邸を建て高級外車を乗り回わしているのです、国民の食料を支えている仕事をしているのに日本の農業は何かが間違っていると思うのです。
日本という国のルールに則り少人数でも高収益を上げられる農法は本当に無いのでしょうか、何年かかるか解りませんが各種の研究と実験を通して結論を導きたいと思っています。